こんにちは。オーエムデザインの姫野です。
今日はちょっと恥ずかしい話をします。面接で高得点をつけた人が、入社後に全然ダメだった。しかも一人じゃなくて、何人か続いた。その反省と、面接を一から作り直した話です。
今日の内容
高得点の人ほど、辞めていった
うちは少人数の会社です。一人の採用が会社全体に影響する。だからこそ面接は真剣にやってきたつもりでした。
評価シートも作っていました。質問項目があって、回答を点数化して、合計で判定する。仕組みとしてはちゃんとしていたんです。
でも、結果を振り返ると愕然としました。
面接で90点以上をつけた人が、入社後に問題を起こしている。逆に、面接では目立たなかった人が、現場で地道に力をつけている。
高得点の人たちに共通していたのは、「過去の経験で勝負する」タイプだったということです。面接ではそれっぽく語れる。でも入社してからは新しいことを吸収しようとしない。ベンチャーの多岐にわたる業務を「負担」と感じる。そして辞めていく。
これは、面接を受けた人の問題じゃなくて、面接そのものの問題でした。
面接が測っていたのは「語る力」だった
冷静に分析してみると、旧い面接シートが測っていたのは「どれだけ上手に語れるか」でした。
志望動機。自己PR。将来のビジョン。
全部、言葉で答えるものです。話すのが得意な人は高得点になる。でもそれは「面接が上手い」だけであって、「仕事に向き合える人間か」とは別の話です。
逆に、口下手だけど黙々と作業できる人。言葉は拙いけど、失敗したら自分から報告できる人。そういう人は面接では点数が伸びにくい。
測りたいものと、測っているものがズレていた。構造的な欠陥です。
ChatGPTで模範回答が作れる時代に
もう一つ、時代の変化もあります。
今はAIに「面接でこう聞かれたらどう答えればいいですか?」と打ち込めば、それなりの回答が出てきます。志望動機も、自己PRも、模範回答が誰でも手に入る時代です。
そうなると、従来型の面接で差がつくのは「AIを使いこなせるかどうか」であって、「どんな人間か」ではない。
面接官が「いい回答だな」と思った答えが、実はAIが作った文章だったとしたら。それで高得点をつけて、採用して、入社後にギャップが出る。これは今後もっと増えるはずです。
だから面接の設計自体を変えないといけない。「用意できる答え」では差がつかない質問を作らないといけない。
面接をゼロから作り直した
そこで、面接評価シートを一から作り直しました。
旧シートは質問が10個。新しいシートは5個に減らしました。数を減らした分、一問の深さを上げています。
大きく変えたのは、質問の性質です。
旧シートは「あなたのことを教えてください」系。言葉で自分を飾れる質問が多かった。
新しいシートは、シナリオを出します。
たとえば。「先輩の記録が間違っていると気づいた。でもその先輩は社歴も長いし、言いづらい。あなたならどうしますか?」
こういう質問には、模範回答がない。その人が普段どう考えて、どう動いているかが出ます。
他にも。「半年間、地味な作業が続いている。SNSを見ると同世代が楽しそうに働いている。あなたはどう感じますか?」
これも正解がない。でも、その人の覚悟や耐性が見える。
スキルは教えられます。知識も後から入れられます。でも、物事にどう向き合うかという姿勢だけは、こちらからは入れられません。だからそこを測る。
自分でも受けてみた
作った以上、まず自分で受けてみました。
自分が面接を受ける側だったら、この質問にどう答えるか。採点基準に照らして何点になるか。
結果、ほぼ満点でした。でもこれは自分が優秀だからじゃなくて、自分の価値観をベースに作ったシートだから当然です。
大事なのはここからです。
過去に高得点をつけた人の回答を、新しいシートで再採点してみました。
90点台だった人が、30点前後まで落ちた。
面接では立派なことを言っていたけど、シナリオ型の質問に当てはめると、主体性や覚悟の部分で点が伸びない。旧シートでは見えなかった部分が、新しいシートでは見えるようになった。
逆に、地味だけど真面目に働いてくれている人をイメージして採点すると、新シートでは高得点になる。口下手でも、姿勢が本物なら点数に出る設計になっています。
口下手でも、姿勢が本物なら
面接を作り直して、改めて思ったことがあります。
うちが欲しいのは「上手く語れる人」じゃない。「愚直にやれる人」です。
未経験でもいい。口下手でもいい。学歴がなくてもいい。
失敗したときに隠さず報告できるか。地味な作業を投げ出さずに続けられるか。わからないことを「わからない」と言えるか。
そういう姿勢を持った人と一緒に働きたいと思っています。
面接で完璧な回答をする必要はありません。等身大で来てくれたら、それが一番伝わります。
口が上手い人を見抜けなかった。その失敗から、面接の形を変えました。次はちゃんと「人」を見られるようにする。まだ完璧じゃないけど、作り直したことで一歩は進んだと思っています。
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